【三鷹市】地区防災計画とは?住民主体でつくる備えと提案の流れ

地区防災計画という言葉を目にしても、家庭の備蓄を決める話なのか、町会などで作る計画なのか、すぐには分かりにくいものです。近所の人へどこまで声をかけるのかも迷いますよね。

地域情報メディア『三鷹みっけ』のエリア担当ライター、佃隆です。わたしは防災資料を見るとき、まず家族が普段通る道と集合場所を確かめます。場所が分かると、話し合いを始めやすいからです。

この記事では、三鷹市で地区防災計画を考える際に、最初に知りたい制度の意味から、地域の範囲、地図の見方、役割、訓練、市への相談までを順にたどります。

目次

地区防災計画は住民がつくる地域の約束

地区防災計画は、一定の地区で暮らす住民や地域の事業者が主体となり、日頃の備えや災害時の活動を決める制度です。災害対策基本法に基づいて2014年度に始まり、地域側から内容を考えられます。

対象は町会の区域だけではありません。集合住宅、商店街、学校区など、日頃から協力しやすい範囲で考えられます。法律で全国一律の広さが決められているわけではない仕組みです。

まず押さえておきたいのは、行政が住民へ配る一方通行の計画ではないことです。地域の人が話し合い、実際にできる行動を書きます。最初から分厚い冊子を作る必要はありません。

作る人

地区で暮らす住民や地域の事業者などが共同して作ります。

書く内容

平常時の備え、連絡、避難、初期対応、助け合いなどを記します。

対象となる範囲

普段のつながりや地域の災害特性に合わせて決められます。

三鷹市地域防災計画との違いを知る

三鷹市地域防災計画は、市、防災機関、事業者、地域組織、市民が担う役割を市域全体で定めるものです。震災編、風水害編、富士山等噴火降灰対策編、大規模事故対策編の4編があります。

地区防災計画は、地域防災計画から暮らしの場所へ近づいた内容です。「この路地を通れるか」「情報をどこへ集めるか」といった、地域内の具体的な活動まで話し合えます。

地区で実際にできる行動を書くことが、両者の違いをつかむ手がかりです。市の計画を写すのではなく、その地区で誰がどう動けるかを言葉にします。

最初は地区の範囲と仲間から決める

最初に話したいのは、どこからどこまでを同じ地区として扱うかです。既存の町会や自治会があれば出発点になりますが、マンション単位や商店街単位など、顔を合わせやすい範囲でも始められます。

範囲を広げすぎると、集まるだけで負担になりがちです。反対に狭すぎると、避難場所や道路を共有する近隣との相談が抜けます。普段の付き合いと災害時の助け合い、その両方を見る場面です。

わたしなら、いきなり大勢へ声をかけず、家族や近所の人と地図を開きます。帰宅経路や子どもの通る道を重ねると、同じ場所を使う人が浮かび、次に話したい相手も見つかります。

まずは同じ地図を見るだけでも十分です

防災マップを囲んで地域を歩いてみる

三鷹市は防災マップのほか、浸水ハザードマップと土砂災害ハザードマップを公開しています。避難場所だけでなく、自宅、学校、職場、買い物に使う道を重ねると、地域で話す内容が具体的になります。

見落としやすいのが、目的地までの途中です。狭い路地、高い塀、古い建物、暗い場所など、地図だけでは分からないこともあります。昼と夜で通りやすさが違う道もあるんですよね。

以前、わたしも避難先の名称を見ただけで終わりかけました。そこで一度止まり、自宅からの道を追うと、普段は気にしない塀や曲がり角が目に入りました。少し先まで見る大切さを感じた場面です。

  • 自宅と集合場所を地図に記す
  • 浸水や土砂災害の区域を見る
  • 狭い道や高い塀の場所を探す
  • 昼と夜の通りやすさを比べる

地震と水害では必要な動きが異なる

計画で想定する災害は、一つに限りません。ただし、地震と水害では発生前後の動きが異なります。地震では突然の揺れや火災、水害では雨量や河川情報を見ながら動く場面があります。

三鷹市内でも、浸水や土砂災害の可能性は場所によって同じではありません。自宅周辺だけでなく、通学路や勤務先までの道も含め、公式マップで該当区域を見ておく価値があります。

災害を一括りにすると、避難を始める時期や使う連絡手段が曖昧になります。まず地震時の動き、その次に大雨時の動きという具合に分けると、地域の人も話しやすいでしょう。

安否確認と支援の役割は交代できる形に

計画には、情報を集める役、初期消火に関わる役、安否を確かめる役などを書けます。ただし、特定の人だけを頼る形では、その人が不在のときに活動が止まります。複数人で担える書き方が必要です。

迷いやすいのが、支援を必要とする人の情報です。本人の意向と個人情報への配慮が欠かせません。氏名を広く配るのではなく、誰が情報を扱うかを限って共有する方法もあります。

個人名より役割と引き継ぎ方を書くほうが、担当が交代しても使いやすくなります。支援する側も被災する可能性があるため、1人へ責任を集めない配慮も大事です。

連絡方法は使えない場合まで試しておく

電話番号を並べた連絡網があっても、停電や通信の混雑時に使えるとは限りません。集合場所へ行く、掲示板で知らせる、近くの家を訪ねるなど、通信機器以外の伝え方も候補になります。

わたしが気になるのは、仕事や学校で家族が別々にいる時間です。夕方の駅周辺は人の流れも多くなります。在宅者が少ない時間に、誰が情報を受け取れるかも考えたいところです。

連絡先を書くだけで終わらず、伝言が届かなかった場合の次の方法も決めておくと、訓練で試せます。連絡を受けた人が、どこへ報告するのかまで書くと実際の動きにつながります。

STEP
地図上でたどる

集合場所までの道と情報を渡す順番を地図上でたどります。

STEP
少人数で試す

決めた経路を歩き、連絡が届かない場合の方法も試します。

STEP
記録を書き戻す

困った場面と使えなかった方法を計画の本文へ反映します。

避難所へ行かない人の支援も話しておく

災害が起きても、自宅で安全に過ごせる人は在宅避難を選ぶ場合があります。地区防災計画では、避難所へ行く人だけでなく、自宅に残る人へ情報や物資をどう伝えるかも話題になります。

三鷹市には、在宅避難者を支える災害時在宅生活支援施設があります。具体的な開設状況や支援内容は、災害の状況で異なります。平常時に場所と役割だけでも見ておくと安心ですね。

高齢者、乳幼児のいる家庭、ペットと暮らす人など、避難所へ移ることに負担を感じる事情もさまざまです。本人の希望を聞かないまま支援方法を決めず、普段の関係の中で話せる範囲から始めます。

市への計画提案は作成途中から相談する

地区の住民や事業者は、共同で市町村防災会議へ計画を提案できます。内閣府の資料では、提案書、地区防災計画の素案、提案できる人だと示す書類などが必要とされています。

ただし、提出方法や必要書類の扱いは自治体へ問い合わせる必要があります。三鷹市で提案を考えるなら、完成後に持ち込むより、作成途中で防災安全部防災課へ相談するほうが自然です。

相談時には、地区の範囲、参加している団体、想定する災害、すでに話した内容が分かるメモを持参すると伝えやすくなります。正式な提出先と書類は、提案時の最新案内をご確認ください。

コミュニティ・センターも相談の入口になる

三鷹市では、コミュニティ住区を単位とする自主防災組織が活動しています。各地区のコミュニティ・センターには自主防災組織の事務局があり、地域活動への参加を考える際の入口になります。

自分の地区の組織が分からないと、計画の話を誰へ持っていくか迷いますよね。まず最寄りのコミュニティ・センターで、地区の防災活動や訓練について聞く方法なら無理がありません。

駅から遠い施設へ行くのを後回しにしやすい方は、買い物など近くへ出る日に立ち寄れるかを先に調べると動きやすいですよ。開館日や受付方法は訪問前に公式案内で確かめたいところです。

作った計画は訓練のたびに書き直せる

地区防災計画は、冊子が完成した時点で終わるものではありません。訓練で連絡が届かなかった、集合場所が使いにくかったという事実を記録し、次に使える内容へ書き直していきます。

先に決めておきたいのは、見直す時期と記録を保管する人です。年1回の訓練後など、地域で覚えやすい時期を選ぶと、担当者だけが知る資料になりにくいでしょう。

家族で読む場合も同じです。子どもの成長や通学先、帰宅時刻が変われば、連絡を取る相手や集合場所も変わります。地域の計画と家庭の連絡メモがつながると、備えが暮らしに残る気がしています。

今日から始める地域への小さな一歩

今日できる一歩として、三鷹市防災マップを1枚開き、自宅から集合場所までの道に線を引いてみませんか。まずはこの一つだけなら、夕食後の短い時間でも無理がありません。

わたしは場所と行き方が分からないままだと、行動を後回しにしがちです。線を引くと、家族と話したい道や近所の人へ聞きたいことが具体的になります。気持ちにも少し余白が生まれるもの。

その地図は家族の目に入る場所へ置き、週末にもう一度見直してみてください。地域の計画づくりへすぐ進まなくても、家の周りを知る経験は残ります。落ち着いて話し始める時間になったらうれしいです。

情報は更新時点のものです。最新情報は公式サイトもあわせてご確認ください。

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この記事を書いた人

「三鷹みっけ」編集長・佃隆

三鷹市在住の佃隆です。地域情報メディア『三鷹みっけ』で、暮らしに役立つ地元情報をわかりやすく発信しています。

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