三鷹市の洪水ハザードマップ|自宅の浸水深と避難経路を読む

大雨の予報を見てから三鷹市の洪水ハザードマップを開いても、自宅の色が何を示すのか、どこへ移ればよいのかまで一度に読み取るのは難しいものです。地図を見たというだけで終わらせず、家族が実際に使える形にしておきたいところです。

地域情報メディア『三鷹みっけ』のエリア担当ライター、佃隆です。わたしは場所が分からないと動きにくいため、まず自宅を探し、次に家族が通る道をたどるようにしています。

この記事では、浸水深の色と枠線、洪水と内水の違い、避難先までの経路、過去の浸水履歴、大雨当日に見る情報の順で紹介します。紙版の入手先や家族で話しておきたい内容も含めました。

目次

三鷹市浸水ハザードマップの基本

三鷹市が公開している資料の名称は「三鷹市浸水ハザードマップ」です。現在公開されている第11版は2024年10月発行。東京都が2024年2月に公表した河川ごとの洪水浸水想定区域図が反映されています。

地図では、想定される最大の浸水深を5段階の色で表示しています。河川の氾濫だけでなく、下水道などで雨水を流しきれない場合の浸水も含まれる資料です。

前提になっているのは、1時間153ミリ、総雨量690ミリという想定最大規模の雨です。特定の日の雨量予報ではありません。将来起こり得る浸水範囲を平時に見る地図と受け取ると、用途を間違えにくくなります。

洪水浸水想定区域

河川があふれた場合の浸水範囲と深さを、紫色の枠線と5段階の色で示しています。

浸水予想区域

河川の氾濫と、排水能力を超えた雨による浸水の範囲と深さを色で示しています。

自宅の浸水深は色と枠線で読む

地図を開いたら、市内全体を眺めるより自宅の番地付近まで拡大したほうが読みやすくなります。わたしは先に凡例を読むより、住所を探してから、その場所の色を凡例へ戻って確かめる。この順番が合っています。

次に見るのが紫色の枠線です。枠線の内側は河川が氾濫した場合の洪水浸水想定区域で、枠線がなく色だけ付く場所もあります。色だけの場所を見落とさないことが大事です。

画面上で道路名や番地が読みにくいときは、東京都の浸水リスク検索サービスも使えます。住所から検索でき、三鷹市の紙面では分からないメッシュごとの浸水深や地盤高も確認できます。

地図で見る場所確かめたい内容
自宅の番地付近色が示す想定浸水深
紫色の枠線河川氾濫による浸水範囲
玄関から外へ出る道低い土地や水路との位置関係
家族が日常で使う道通勤や通学中に通る浸水区域

洪水と内水では水の来方が異なる

洪水は、野川や仙川などの河川から水があふれることで起きる浸水です。一方の内水は、短時間の強い雨を下水道や水路で流しきれず、道路や宅地に水がたまる状態を指します。

川から離れているから水の心配はないと思っていると、ここで一度止まります。三鷹市内では、河川沿いでなくても低い土地や排水しにくい場所に色が付いているためです。

坂の上にある自宅へ水が来なくても、坂の下の道路や駅までの道が通りにくくなることはあり得ます。自宅の色だけでなく家族が使う道まで見ることを、わたしは大切にしています。

いつもの道を地図でたどると気づきがあります

通勤と通学の経路にも色を重ねる

平日の大雨では、家族全員が自宅にいるとは限りません。仕事先から駅へ向かう道、子どもが学校から帰る道、買い物で通る道にも地図の色を重ねると、生活の中で気になる場所が見えてきます。

駅まわりや中央通りは普段なら歩きやすくても、そこへ着くまでの道は人によって違います。家族が別々の場所にいる夕方ほど、帰宅だけを前提にしない話が必要です。

見落としやすいのが、アンダーパスや坂の下、川に近い道です。雨が強まってから短い経路を選ぶのではなく、少し遠くても低い場所を避ける道を1本見つけておくと無理がありません。

  • 自宅から風水害時の避難先までの道
  • 学校や職場から安全な場所までの道
  • 川やアンダーパスを避ける別の道
  • 家族が連絡できない場合の待機場所

風水害時の避難先まで道をたどる

三鷹市では、震災時の避難所と風水害時の避難先を分けています。風水害時には、洪水浸水想定区域外の安全な区域に立地する施設などが指定されます。同じ学校でも災害の種類によって扱いが違います。

迷いやすいのが、地図に載っている施設ならいつでも入れると思ってしまう場面です。避難先は災害の状況に応じて開設されるため、当日の市の発表が欠かせません。

わたしも最初は、家から最も近い施設名だけを見ていました。しかし、経路を指でたどると川に近づく道があり、別方向の施設も見るようになった。近さだけで決めない理由がここにあります。

STEP
自宅の場所を探す

町名だけで終えず、番地付近まで拡大して色と枠線を見ます。

STEP
風水害時の避難先を探す

震災時の避難所と混同せず、風水害時に使う施設を見ます。

STEP
途中の低い場所を避ける

川、坂の下、アンダーパスを通らない別の経路も探します。

避難所の開設状況は当日に確かめる

ハザードマップに避難所が記載されていても、常に開いているわけではありません。大雨の日は三鷹市ホームページの避難情報と、VACAN Mapsに表示される避難所開設状況や混雑状況を確かめます。

施設名だけを見て家を出ないことは覚えておきたい点です。開設前に移動すると、雨の中で別の施設を探すことになりかねません。

一方で、危険が迫ってから遠い施設まで移動することが安全とは限りません。自宅の上階や近くの丈夫な建物へ移るほうがよい状況もあるため、市の避難情報と周囲の状態を合わせて考えます。

過去の浸水履歴を地図と見比べる

三鷹市は、2005年9月4日以降に発生し、市が把握した浸水被害を地区別に公開しています。2026年4月1日現在の資料では、町丁名と番地、床上浸水や床下浸水などの被害種別を確認できます。

ハザードマップの色は将来の想定で、浸水履歴は過去に市が把握した記録です。性格の違う2つの資料を並べると、自宅周辺を一方向から決めつけずに見られます。

ただし、掲載された履歴は市民からの情報などを基にしており、すべての被害を網羅していません。履歴が見当たらない場所を安全と決めるのではなく、地形や想定浸水深も一緒に見たいところです。

大雨当日は水位と危険度を重ねる

浸水ハザードマップは、現在の雨や川の水位を映すものではありません。雨が降り始めた後は、三鷹市河川防災情報、気象庁のキキクル、市が発表する避難情報へ切り替えて見ます。

三鷹市河川防災情報では、野川の河川カメラ映像と、野川、仙川、神田川の水位を確認できます。川へ様子を見に行かず、離れた場所から状態を知るための情報です。

キキクルでは、大雨による浸水害や洪水害の危険度が地図上に表示されます。平時に想定を知る地図と、雨の日に変化を見る情報。この役割の違いだけでも覚えておくと迷いにくくなります。

紙版を家で見られる場所に置く

三鷹市の浸水ハザードマップは、市ホームページから確認できます。紙版は防災課、市民課、市役所1階受付、市政窓口、コミュニティセンターなどで配布されています。

スマートフォンは拡大しやすく、住所検索にも向いています。一方、紙は家族全員で同時に見られ、避難先や連絡先を余白へ書けるのが使いやすいところです。

わたしの家では、画面で住所を拡大して確認し、最後は紙に線を引く方法が合っています。停電や通信の混雑も考えると、どちらか一方ではなく両方を使えると気持ちに余裕が生まれます。

家族の時間差を含めて話しておく

家族で決めておきたいのは、全員が自宅にいる場合だけではありません。仕事中、通学中、買い物中など、居場所が分かれる時間に雨が強まった場合も考えておくと動きやすくなります。

連絡が取れないときに自宅へ戻るのか、その場の安全な建物で待つのか。家族の年齢や移動手段によって答えは異なります。無理に1つへ決めず、場面ごとの話が必要です。

わたしは帰宅しやすさを先に考えがちですが、大雨の日は普段の近道が使えるとは限りません。家族がそれぞれいる場所から安全を保てる道を話すほうが、日常に合っていると感じています。

今日地図に残しておきたい一本の線

今日できる小さな一歩は、三鷹市浸水ハザードマップで自宅を探し、風水害時の避難先までの経路を紙に1本だけ書くことです。途中の川、坂の下、アンダーパスにも印を付けます。

わたしは地図を眺めただけのときより、道を指でたどったときに初めて気になる場所が出てきました。1本の線があれば、家族との会話も「どこを通るか」という具体的な話になります。

今夜、食卓で紙の地図を広げられるなら、自宅から避難先までの線を1本だけ残してみてください。その紙を家族で見直し、雨の日の迷いを少し軽くできる時間になったらうれしいです。

情報は更新時点のものです。最新情報は公式サイトもあわせてご確認ください。

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この記事を書いた人

「三鷹みっけ」編集長・佃隆

三鷹市在住の佃隆です。地域情報メディア『三鷹みっけ』で、暮らしに役立つ地元情報をわかりやすく発信しています。

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