三鷹市の土砂災害ハザードマップを開いても、自宅が色の付いた場所に入るのか、どこへ逃げるのかまで読み取るのは意外と難しいものです。住所が区域の境目に見えると、なおさら迷います。
地域情報メディア『三鷹みっけ』のエリア担当ライター、佃隆です。わたしは地図を見るとき、施設名より先に自宅と普段通る道を探します。暮らしに近い場所から見たほうが、雨の日の場面を思い浮かべやすいためです。
この記事では、区域の色、自宅住所、避難経路の順に読み解きます。大雨の最中に見る情報と、家族で紙に残しておきたい内容までつなげました。
三鷹市の警戒区域は市内23箇所
東京都は2019年9月26日、三鷹市内の23箇所を土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域に指定しました。このうち2箇所は市境にまたがっています。市の土砂災害ハザードマップは2022年12月に更新されたものです。
指定箇所は市内全体へ均等に広がっているわけではありません。国分寺崖線や野川に近い大沢のほか、井の頭や牟礼にも区域があります。市内は平坦という印象だけで見ないほうが、地図の意味をつかみやすくなります。
町名が同じでも、区域に入る場所と入らない場所があります。大沢や牟礼に住んでいるだけで危険と決めるものでもありません。反対に、町名だけを見て関係がないと決めるのも早いです。番地付近まで地図と重ねたいところです。
- 土砂災害警戒区域
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土砂災害が起きた場合に、住民の生命や身体へ危害が生じるおそれのある区域です。
- 土砂災害特別警戒区域
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建物に搊壊が生じ、住民へ著しい危害が及ぶおそれのある区域です。
黄色と赤色は示している危険が異なる
地図の黄色は土砂災害警戒区域、赤色は土砂災害特別警戒区域を示します。赤色だけが注意を要する場所ではありません。黄色の区域も避難を考える対象として、自宅や普段使う道との位置関係を見ます。
赤色の区域では、土砂の力によって建物が損壊するおそれまで考えられています。住宅の売買や建築にも関係する指定ですが、日常の備えでは、まず自分や家族がどこへ移るかを考えるための表示として読むと分かりやすいです。
わたしも最初は、赤色の場所だけを探しそうになりました。凡例を読み直し、ここで一度地図を見る手を止めた経験があります。色の強さだけで判断すると、黄色の区域が持つ意味を見落としやすいんですよね。

色だけでなく住所の位置まで見ておくと安心です
自宅は町名ではなく番地まで重ねて見る
三鷹市の土砂災害ハザードマップは、表面に区域や避難所、裏面に避難行動や情報の受け取り方が載っています。画面で見るならPDFを拡大し、道路、川、学校、公園などの目印から自宅を探す流れです。
住所検索の印だけを見て終えると、敷地と区域の境界を読み違えることがあります。画面上の位置には多少のずれもあり得るため、近くの道路の形や川の曲がり方まで照らすと、自宅の位置をつかみやすくなります。
区域の端に重なって見える場合は、縮小した地図だけで区域内か、そうでないかを決めないことも大切です。三鷹市防災課へ所在地を伝えて照会する方法があります。防災課の電話番号は0422-24-9102です。
丁目と番地を基に、近くの道路や公共施設まで地図と照らします。
自宅だけでなく、隣の斜面や道路に付いた色も見ておきます。
区域や川沿いを避けて歩ける道を、避難先までたどります。
区域外でも通学路と帰宅路までたどる
自宅に色が付いていなくても、通勤路や通学路が警戒区域を通ることがあります。崖の下にある道路や斜面に沿った細い道は、晴れた日には気になりません。大雨の場面へ置き換えて見る必要があります。
わが家では、家にいる人だけでなく、仕事先や学校から戻る途中も考えます。家族の帰宅時間が違うと、同じ雨でもいる場所が別々だからです。夕方に雨が強まる場面まで思い浮かべると、話す内容が具体的になります。
いつもの近道が区域や斜面の近くを通るなら、別の道を1本見つけておくと動きやすいですよ。距離だけを見れば遠回りでも、暗い時間に家族が迷いにくい道なら、わたしはこちらを選びます。
- 自宅から風水害時の避難先までの道
- 子どもの学校や習い事から戻る道
- 崖の下や川沿いを避けられる道
- 夜間でも家族が分かる曲がり角
- 通れない場合に使う別の道を1本
土砂災害と浸水が重なる場所にも目を向ける
土砂災害ハザードマップだけでは、雨の日に起こり得るすべての危険を読み取れません。三鷹市には浸水ハザードマップもあります。斜面に近く、川や低い土地にも近い場所では、2種類の地図を重ねて見る必要があります。
三鷹市の防災指針では、大沢2丁目と4丁目について、土砂災害と水害が重なる可能性に触れています。国分寺崖線と野川が近いためです。避難経路を選ぶ際も、斜面から離れるだけでは足りない場合があります。
迷いやすいのが、土砂から離れる道と浸水を避ける道が同じとは限らないことです。野川沿いへ下りれば斜面から離れても、水位が上がる場面では別の心配が残ります。両方の地図を見る理由がここにあります。
避難先は近さだけで決めず開設情報も見る
ハザードマップに載っている施設が、雨のたびにすべて開くわけではありません。三鷹市は雨量や地域の状況に応じて避難所を開設し、市ホームページ、防災行政無線、安全安心メールなどで知らせます。
また、震災時に利用できる避難所と、風水害時に利用できる施設は同じではありません。羽沢小学校、大沢コミュニティ・センターなどは、風水害時の避難先には含まれないと市が案内しています。
近い施設の名前だけを覚えていると、雨の中で向かった後に開いていないことも考えられます。先に見たいのはその時点で開設されている施設です。そこまでの道が安全かも合わせて見ます。
| 情報の入手先 | 主に分かる内容 |
|---|---|
| 三鷹市ホームページ | 地域ごとの避難情報や避難所の開設状況 |
| 防災行政無線 | 市が放送する避難情報や緊急のお知らせ |
| 安全安心メール | 登録した端末で受け取れる防災情報 |
| 市公式X | 市から発信される災害時のお知らせ |
| VACAN Maps | 避難所の開設情報や混雑状況 |
大雨の日は地図と現在の危険度を重ねる
土砂災害ハザードマップは、平常時に地域の特徴を知るための地図です。一方、雨が降っている最中の危険度は刻々と動きます。東京都土砂災害危険度情報や気象庁のキキクルは、その変化を見るための情報です。
ハザードマップに色が付いているから、いつも同じ危険度という意味ではありません。逆に、色が付いていない場所なら大雨の最中も必ず安全という意味でもない。地図と現在の情報では、役割が違います。
わたしなら、雨が強くなってから複数のページを探し始めるのは避けたいところです。三鷹市ホームページとキキクルをスマートフォンのブックマークへ入れるだけでも、必要な画面へ早く移れます。
警戒レベルと市の避難情報を読み分ける
2026年5月29日から、防災気象情報の名称や伝え方が新しくなりました。土砂災害や大雨の情報は、避難行動に対応した5段階の警戒レベルと結び付けられ、危険度を示す数字が名称に入ります。
気象情報は広い範囲の危険度を知る手掛かりですが、実際の避難情報は三鷹市から発令されます。レベル3警報やレベル4危険警報が出たら、市がどの地域へ何を呼び掛けているかを見る流れです。
高齢者等避難と避難指示では、対象となる人や求められる行動が異なります。家族の中に移動へ時間がかかる人がいる場合は、どの段階で動き始めるかを平常時に話しておくと、当日の迷いを抑えられます。
過去の発令地域から自宅の場面を考える
2024年8月の台風7号では、大沢2丁目と4丁目から6丁目に高齢者等避難が発令されました。大沢台小学校と第七中学校が開設され、合わせて21人が避難しています。市内全域への発令ではありませんでした。
同じ年の台風10号では、大沢2丁目と4丁目、井の頭1丁目と5丁目、牟礼1丁目から4丁目のうち、土砂災害警戒区域へ避難指示が出ました。開設された避難所の避難者は合わせて11人です。
過去と同じ雨や発令になるとは限りません。それでも、町丁目の一部だけが対象になる例を知ると、住所と区域を重ねる意味が見えてきます。自宅が対象か読み取るには、平常時のひと手間が役立つと感じています。
家族で決める内容は紙一枚に収めておく
家族で話す内容は、多くしすぎると覚えにくくなります。最初に決めたいのは、避難先、そこまでの道、離れているときの連絡方法です。地図の余白へ書ける量なら、後から家族で見直すときも無理がありません。
わが家でも、全員が同じ時間に家にいるとは限りません。仕事帰り、学校帰り、自宅にいる場合では、合流の仕方が違います。電話がつながりにくい場面も考え、先に向かう場所を共有しておきたいと思っています。
紙の地図には、自宅と避難先だけでなく、使わない道へ印を付ける方法もあります。斜面の下や川沿いなど、雨の日に避けたい道が目に入れば、慌てているときにも別の道を選びやすくなります。
今日付けた自宅の印が次の行動につながる
今日できる小さな一歩は、三鷹市土砂災害ハザードマップを開き、自宅の位置へ印を付けることです。区域の内外だけでなく、近くの斜面や普段使う道路も目に入ります。
わたしは地図を家族と見るなら、雨が降っていない日に短く話すほうが合っています。落ち着いているときなら、帰宅時間の違いや待ち合わせ先も無理なく話せるからです。
今夜は自宅の印を付けた地図を1枚だけ紙に残してみてください。家族が見つけやすい場所に置けば、急な雨のときの迷いが少し軽くなります。みなさんが落ち着いて話せる時間になったらうれしいです。













